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稲刈りとお米の美味しさの関係 [飯田(長野)のこと]

僕の実家ではお米を作っている。出荷用ではなく、自家用。
その稲刈りのため実家(長野県飯田市)に帰えりました。


  植えた直後の田んぼ(5月下旬)


  青々と成長している8月中旬
  (携帯カメラなので画が荒い・・・)


  稲刈り直前
  緑が少し残る葉と金色の穂

品種は、「秋晴れ」。
(友人達の間では 「飯田米」 と勝手に名付けられているけど。)

味は置いといて、害虫や雑草に強く手間がかからない。
そのため我が家では農薬を1、2回しか使ってない(と思う)。
(ほぼ)無農薬。


「稲刈り」と聞くと、でっかい田んぼをでっかい機械(コンバイン)に乗って、
稲をどんどん刈っていく様子を想像する人も多いかもしれないけど、うちは違う。

うちの田んぼの広さは1ヘクタール程で、一輪一列刈りの小さな稲刈り機で十分。
だから 列数/2 回分だけ往復する必要がある。


  偶然にも機会の名前は 「秋晴れ」

  稲を刈りながら進む。
  ある程度 稲がたまると、
  紐で束にして、右側に出される。
  ガシャン!と。


何往復もすると考えると、面倒に思えるけどこれは比較的楽チン。
機械がほぼ直進してくれるので、手を離しても平気。写真を撮る余裕があるし。

ただし、これば稲が真っ直ぐ植えられていれば、の話。
今年の田植えの担当者は・・・、はい!私です。

生まれて初めて田植え機を使ったので、ぐわーっと、時にはグニッと、曲がって植えてしまった。
植えた時は 「ま、いっか」 などと他人事のように思っていた自分を厳重注意したい。
その芸術的な曲線に合わせて機械を操作するのが、大変で大変で・・・。

何度、稲を踏み、バックしたことか。


真っ直ぐ植えていれば、稲刈り自体はとても簡単に終わる。
ただこの後が大変。
刈った稲をはざ(稲掛・稲架) に掛けるというめんどくさい作業がある。
ただし、この作業が味に大きく影響する。(後述)



  はざ は稲を干すためのもの。
  地域によって、形が違う。


我が家では、支柱専用の鉄パイプと、実家の周辺に生えている竹で作る。
ここに束ねた稲を掛けていくのだけれど、ちょっとした先人達の知恵(?)がある。

一つは、稲の束の分け方。

束の真ん中から分けるのではなく、片方を少なくする。
次の束は反対側を少なくして掛ける。
束の太さを交互に変えることにより、稲を詰めて掛けることができる。

もう一つは、掛けていく方向。

横にした竹の先端→根本の方向に掛けていく。
これは竹の節のギザギザの方向が先端を向いてるから。

先端から掛けていくと、上手い具合に節のギザギザに稲の束が引っかかる。
グッと一節ごとに詰めて掛けていくことができて、稲が緩み広がることがない。



  天気がイマイチだったけど
  甥っ子の手伝いもあってなんとか終了!


さてさて、この はざ掛け と味の関係について。

はざ掛けは、刈った稲(米)を乾燥するために行う。
でも、この作業はとっても手間がかかるので、
大きな生産者はコンバインという機械を使って、刈った稲をそのまま脱穀する。
そして籾殻(もみがら)を乾燥機で乾燥させるという方法をとっている。

自然乾燥と機械乾燥では食べた時の味が違っていて、
自然乾燥、つまり はざ掛け した方が美味しい。

なんと、出荷している生産者さえ、
出荷米は機械で乾燥、自分たちの分は はざ掛けをするという。
なんともショックな話。

でも、ご安心を。
最近は 「はざ掛け米」 というのも市場に出ているとのこと。
同じ品種のお米を買うなら、「はざ掛け」 と明記されてる方を選べばOK。


新米が市場に出ていると思うので、秋の味の一つとしてお米も楽しんでください。


    


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コメント 11

arukakat

うちの実家は全部マッシーンですね、はざ掛けなんてできません・・(私が小さい頃はやってたかも)。
一時期、米の銘柄やブレンド表記が問題になってますが、最近はどうなんでしょうね・・。実家の米では粘りがありすぎて、美味いチャーハンができないのが悩みです・・。
by arukakat (2005-10-09 19:25) 

先ほどはMYblogへお越しいただきましてありがとうございました。
水郷は三重の山間部の産ですので、実家の田圃は昔このような景色が続いていました。でもゴルフ場が造成され、その景色を今は見ることが出来なくなりましたよ。。ハザ掛けの風景。本当に今やこの地域では見受けられなくなりました。。本当に米が美味しくなるのですが。。頭では解っていてもなかなか難しいところがあるようで。。
by (2005-10-09 21:34) 

yatugatake

懐かしい風景で。
イネを干す台?地域によって色々呼び名が変わるんですね。
私の所は「おだ掛け」といっているようで。
これもまた文化ですかね?
by yatugatake (2005-10-10 06:30) 

Non*

テラさま おはようございます。
昔、実家での風景です。懐かしい!
高速道路が通ることになって、田んぼはなくなりました。
米作りは大変ですが、止めてはいけない仕事ですね。
by Non* (2005-10-10 07:16) 

kamogawa-fishing

うちの周り(千葉県鴨川)は9月上旬には早々と稲刈り終わってたなあ。
ハザ掛けの風景はよく見ますが、自分や親戚の家で食べる分だけなんでしょうかね。
棚田の風景も一気に冬っぽさが増してきました。
by kamogawa-fishing (2005-10-10 20:15) 

テラ

>arukakat さん
ハザ掛けはかなりメンドイですから、少なくなってきているんじゃないですかね。
粘りが強いですか。粘り強い精神力の元はお米だったということで。

>mizusato さん
自然や昔ながらの方法はどんどんと消えていってしまうのは寂しいですね。
実家は開発に不向きなのでしょうか、運良く残っています。
それにしても、手間をかければ美味しいものが取れるということを
昔の人たちは知っていたということを改めて感心します。

>八ヶ岳恋し さん
訪問、ありがとうございます。
「おだ掛け」 ですか。初めて聞きました。
またまた新しい発見ができて嬉しいです。
地域ごとの文化って面白いと最近よく思います。

>Non* さん
田んぼもどんどんと減っているようですね。
お米作り、残していきたいと思います。
ただ、跡取り息子(=私)が横浜に居るようでは、我が家の田んぼも危険です。

>ヒデ さん
9月上旬ですか、なかなか早いですね。
旅行などに行くと、田植え・稲刈りの時期を気にしてしまいます。
「あ、この地域はこの時期に行うのか」なんて。
稲がなくなり脱穀が終わると、冬の寂しさを感じます。
by テラ (2005-10-10 21:48) 

marine

ハードなお仕事、お疲れ様でした。
甥っ子くんも活躍したのかな?
こうやってまとめてもらうと、稲刈りって貴重な体験なんだなと思う。
あ、あのう、食べるばかりでスミマセン。。
by marine (2005-10-11 12:26) 

こちらからもTBさせていただきました。。m(_ _)m。。
by (2005-10-11 12:27) 

テラ

>marine さん
稲刈り、貴重な体験ですよ。
会社の人は、みんな「やってみたい!」と言います。言います・・・。言うだけです・・・。
ご飯粒を残さず食べてください。

>mizusato さん
あ、TBどうもです。
mizusatoさんは色々作っているの「すごい!」と尊敬します。
見させていただいています。
by テラ (2005-10-11 23:50) 

ゆきこ

あーなつかしい!
うちは今年は高校生の弟が稲刈り&はざ掛けをしたようです。
もしかしたら日本からそのお米が届くかもしれないと今から楽しみにしています。
やっぱり実家のお米はおいしいですよね。
by ゆきこ (2005-10-13 04:21) 

テラ

>ゆきこ さん
うちは遅めの稲刈りですから、早ければ今月中に新米が届くかもしれませんね。
ずっと食べてきたお米はおいしいですよね。
by テラ (2005-10-14 12:25) 

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